寒い季節にひっそりと咲くクリスマスローズ(学名:Helleborus)。中でも黒っぽいビロードのような花色と緑がかった白い花が気になっていた。
黒い花、なかなか魅惑的ながら、全体としての雰囲気を考えるとやはり白い花かな?と思っていたところ、昨年夏、そのウインターベルが、株分けという形で突然やってきた。7月にも入ろうかという時期だったような。
随分野性的な「木」という感じの立派な株で、いい条件で育っていたのがひと目で分かるような状態。でもこんなに暑い時期に株分けって大丈夫?うちのような地力のない場所に植えて果たして育つのだろうか?
不安ながらも合いそうな場所に植え付け、ぼかしを薄く与えたり、根本に枯れ草をおいたり気にかけていたが、冬の間に立派だった葉も全て枯れ、やはりダメだったのかと思っていた。
ところが、2月中旬辺りから何となく芽が出ている気配が。3月に入ると同時に一気に蕾が付きだし、葉もでてきた。
何としっかり根付いて元気いっぱい!
ウインターベルとは?
ウインターベルは、原種「ニゲル」と「へレポレス・フェチダス」の異種間交配で生まれた品種。
ニゲルは、クリスマスローズの中でも最も古くから栽培されており、アルプス山脈やバルカン半島の高山地帯に自生していた種で寒さに耐性がある。
一方、へレポレス・フェチダスは、多くのクリスマスローズの親になっている種で、ヨーロッパ中部から東部にかけて広く分布しており、比較的暖かい気候に適応し、様々な色や形の花を咲かせる。
ウインターベルは、これら2つの種の優れた特徴を受け、白い花色はニゲルに、花の形や葉の質感などは、フェチダスに近いようだ。
ただ、ネットの映像を見ているとウインターベルといって一様ではない。
ウインターベルの育て方
ウインターベルは、耐寒性が強く、地植えに適した多年生の植物。その分、真夏の高温を嫌うので、落葉樹の側など、夏の直射日光や西日の当たらない場所が適している。
注意すべきは、梅雨時や真夏の高温時に、蒸れないように、通気性を良くしてあげること。
肥料の与え過ぎも根腐れや葉焼けの原因となるため、頂いた方には、「元気のない時には米の研ぎ汁をたまに与えるくらいで良いですよ」と言われていた。
11月から4月に花を咲かせ、切り花としても長く楽しめる。水替えをきちんとやれば1ヶ月近くも持ち、一見、蝋引きの造花のような質感で、しっかりしている。驚きの強靭さ。
実は花びらと思っている部分はガクらしいのだが。
ウインターベルは元来丈夫で手間のかからない品種のようだが、うちのような地力のない土でも、株分け後一年にも満たないのに、沢山の花をつけるくらいの生命力がある。
ただ、これは育てられていた環境にもよるので、、肥料や薬剤を使っている園芸店の株とは多少違うのかもしれない。
自然農のように耕起もしない、肥料もなし、水やりもなし、薬剤も使わないとなると、まずは野生種に近い作物を選んでいくことがポタジェづくりのポイントとも言えそうだ。
今年は根付いたばかりで草丈が20cm程度。周囲に埋もれて花の姿もよく見れないが、40cmくらいまで成長すれば、来年はもっと存在感を放ってくれそうで楽しみ!