土壌の自然循環とは?土壌の健全性は我々の生きる基盤。

土壌は生態系の重要な要素で、植物の生育や生態系の機能に深く関与しており、有機物の分解、栄養素の循環、土壌微生物の活動などによって構成されます。

微生物が土壌内で重要な役割を果たし、土壌生態系のバランスを維持していることは、我々の腸内細菌の活動と共通するところです。

土壌の自然循環の営み

⚫︎土壌中の有機物とは・・・植物や生物の死骸や排泄物など

⚫︎有機物の分解・・・有機物は、細菌・真菌・その他微生物により分解され、土壌有機物となる。

⚫︎栄養素の循環・・・土壌有機物や鉱物は植物の生育に必要な栄養源として利用され、同時に、植物の根から分泌された有機物や根の一部が土壌微生物のエネルギー源となっている。

これらのプロセスは、土壌の健全性や持続可能性に直接影響を与えます。土壌は我々の生活や農業の基盤であり、その健康状態は、持続可能な食糧生産や環境保護に密接に関わっています。

このような重要性を認識した上で我々にできることは何か?

土壌の保護と持続可能な管理が重要です。土壌を過度に耕すことや、科学的な肥料や農薬の過剰な使用は、土壌生態系を乱し、微生物の活動を阻害することにつながります。

自分の体に置き換えると、栄養剤を多用したり、薬に頼りがちな生活をしていると、善玉菌にダメージを与え抵抗力のない体を作り、栄養剤や薬に頼らざるを得ない悪循環を引き起こします。

持続可能な農業の手法を採用し、土壌の健全性を維持することが重要です。

土壌微生物の役割

土壌微生物とは、土壌中に存在している微小な生物で、細菌・真菌・原生生物などが含まれます。

1、土壌中の有機物分解
土壌中の植物や生物の死骸、排泄物などの有機物を分解する役割を担っています。細菌や真菌は酵素を分泌して有機物を分解し、より単純な形態の化合物に変換します。これによって有機物の栄養素が土壌中に再循環され植物の栄養源となります。

2、栄養素循環
窒素循環では、窒素固定菌が大気中の窒素を固定し、植物が利用できる形態に変換し、脱窒菌は大気中に窒素を放出します。リンやカリウムなどの栄養素も微生物によって循環されています。

3、土壌の構造形成
真菌や微生物の菌糸は土壌中に網状の構造を形成し、土壌粒子を結びつけます。これにより、土壌の保水力や通気性が向上し、植物の根の成長や栄養素の移動が促進されます。

4、病原菌の制御
特定の微生物は、植物病原菌と競争したり、寄生菌や捕食者として働いたりすることで病原菌の発生や拡散を制御しています。

このように土壌微生物の働きは、土壌生態系全体のバランスや持続可能性にも影響を与えます。

土壌の自然循環は土壌の健全性と持続可能性に欠かせない要素

我々には土壌の重要性を理解し、持続可能な土壌管理と保護のための具体的な行動をとることが求められています。

地上での動植物の営みと同じように、地下でもまた重要な営みが繰り広げられています。我々は見えないものをないものにしがちですが、見えない世界こそより慎重に繊細に扱うことが必要です。あるいは立ち入らないことです。

耕すということは、作り上げられた生態系を根こそぎ壊すことでもあります。

土壌の自然循環の仕組みを理解することで、土の扱い方にも慎重さや気遣いが生まれます。

土壌の健全性を維持することは、人間にとっても最重要な生きる基盤なのです。

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