自然の摂理から言えば、土作りは植物にしかできない。植物が太陽の光や雨を取り込んで根が育ち、その根が朽ちることで土の中に空気の層ができ、たくさんの微生物の住処となる。その死骸が豊かな土壌を育て、また新たな生命が育つという循環が際限なく続いていく。
自然農は、農薬や化学肥料を使うことはもちろんないが、耕すことも肥料を入れることもしない。基本的には自然の循環を見守るだけ。
但し、その循環の中に自分たちの食べ物を作らせてもらうわけなので、ちょっとお邪魔させていただいて、草をかき分け種を蒔き、草に負けそうなときにはちょっと草を刈り取らせてもらいながら、収穫したい作物を補助していく・・・基本的にはそういうスタンス。
自然に添いながらも補助的に手出しをする。草を刈る、土の表面を削る、平らにならす、種を蒔く、定植する、収穫するなど作物を育てて食すにはそれなりの作業が伴う。
スムーズな作業のためには、最低限の道具を揃えておく必要もある。
自然農で絶対必需な4点
のこぎり鎌
自然農で絶対必需品といえばこれ!
自然農では、草はなるだけ生やしたままにするが、作物に影響がある場合は茎と根の境で刈り取ってその場に置く。
草も収穫後の作物も根は土の中に残し、その根の残骸を残すことで微生物の住処となる。
自然農にとってのこぎり鎌は、草を刈る、種をまく部分の土を整える、苗の移植、野菜の収穫など様々な場面で必要なアイテム。
最近は農具もステンレス製を多く見かけるが、やはり鋼がおすすめ。ステンレス製は、一見軽くて使いやすそうだが、切れ味が違うし鍬も鎌も重みが力になる。
ノコギリ鎌は研ぐことができない?面倒?なので自然農にとっては消耗品。1,000円前後で鋼の日本製であればいいかと。
私が今使っているのは「尊徳」というブランド。兵庫県の長谷川鎌製作所。
下記は豊稔企販のもの。
平鍬
自然農では、鍬の裏で鎮圧作業をする場面が多いため、底に柄の突起が出ていないタイプが断然便利。なかなかないタイプなので、福岡の「みみず屋」さんの金鍬の名前がよく出ている。
深く耕すことはしないが、荒起こしや畝立て、畝の整形や通路のならしに使う。
この2つがあれば、まずは事足りるのだが、作業を進めていくうちに、あったらいいなと思うものも増えていく。
そこに突起のないものを見つけた。初心者用で手頃でちょうど良さそう。鳥取の農具専門メーカーで自社製造商品だと思う。
菜園ハサミ
これは先端が細いタイプのはさみが1本は必ず必要。苗の間引きや収穫などに頻繁に使う。
個人的に持ち手が輪っかタイプでないと使えないので、無印にも同じタイルがあるようです。
尊徳の植木ハサミもとても綺麗な形でコレ欲しいなと思っているところ。
ステンレスメジャー
菜園設計、畝づくりや種まきにも使うが、レイズベッドなどのDIYにも必需品。
こちらはデザインがカワイイので参考までに。
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菜園規模により必要になってくるもの5点+1
剣先スコップ
これは一番最初に畝立てをするときに必要だとされるが、初心者で体力がないとなかなか使いこなせない。小さな庭先の菜園では、鍬で事足りる。
自然農では畝立ては最初の1回だけ、後は補修しながら使うので、使う頻度も少ない。小さな庭先菜園では、なくてもいいかな。
角型スコップ
剣先スコップよりも角型のほうが使う頻度が高い。今年、広めの畑も借りてしまったので、畝立てが結構大変で、畝立てやその補修時の通路の土あげに軽くて広めの角型スコップが重宝する。
特に、初心者で体力がないと鍬で土上げをするのが一番骨が折れる。
この場合、軽くて、幅が25cm以上の一度に大量を持ち上げられるものが効率的。
ステンレスは使ったことがないが、耐久性と、幅広で1,67kgであれば使い勝手がいいかと思う。
三叉鍬
不耕起だしなくてもいいかな?と思って一度は削除したが、作業をしていると必要な場面がでてくる。畝立ての時に、通路の荒起しにも使うし、イモ類を収穫する時も使いそうだ。
小さな庭先菜園では必要ないが、ある程度の広さになれば必要になるだろう。
レーキ
畝の表面を平らにならすのに使う。これも、ある程度の広さがあれば使用頻度は高くなる。
移植ゴテ
一般的な移植ごては巾が広すぎてなかなかうまく苗を抜き取ることができなかったのだが、自然農法家の高内さんが使っていらっしゃるのを目にしてこれ使いやすそう!
・山菜刀
おまけ。コレ!アバウトな私の必需品。
【英国Burgon & Ball社】種と苗の植付用定規 Seed and Plant Spacing Rule
まとめ
以上今の時点で必要と思われるものをあげてみた。
そのうちに道具類のメンテナンスにシャープナーなども必要になリそう。
道具の品質=値段という一面もある。質のいいものを大事にメンテナンスしながら使っていくほうが、一つ一つの作業も丁寧になるのは人間の本質。
刃物に関しては日本の製品を選べばそう間違いはないだろうと思う。
いいものを最小限に揃えて菜園づくりを楽しみたい。