人参は連作OK!通年栽培OK!の作りやすい作物。

人参は、日々幅広く使う野菜なので、ぜひ作っておきたい野菜のひとつである。

土の状態がよく発芽さえうまく行けば、後は手間いらず。

”収穫したら蒔く”の繰り返しで通年栽培ができる。同じ場所でずっとOK!!

人参のための土作り。土の中の異物は取り除き、粒子を細かく!

人参は直根型の野菜なので育苗して苗を移植ということができない、直まき一択の作物。大根やカブ、ごぼうなども同じ。

人参はセリ科で、もともと水辺に育つ植物なので水はけの良い土を好み、発芽するにも十分な水分が必要となる。適した土のPHは5.5〜7.0と幅があり、発芽さえうまく行けば後は手のかからない育てやすい作物といえる。

セリ科は粒形が細かく均一な土を好むので、石などの異物はは取り除き、粒子を細かくしておきたい。

自然農では土を極力いじらないが、直根型の場合、最初の一回は30cm位のところまでは掘り起こし、異物を取り除き、粒子を揃えておく必要があるようだ。

人参

これは春にちょっとだけ初めて播いた人参。

草も生えていないような土だったので、とりあえず土作りもせずに適当に播いたのだが、人参だけは発芽率はほぼ100%。

ただ間引きのタイミングを逃して結局密生状態でほったらかしだったので、成長も悪くこのとおり。

この割れは何かというと、土の中に異物が多かったということ。人参に限らず大根など直根類は石などの異物が股割れを引き起こす。

一度ふるいにかけて、粒子の揃った土壌にしておく必要がある。

長年人参栽培をしている方に、人参は同じ場所で作り続けたほうが色もよく肌が綺麗だと聞いていたが、自然農法家の高内さんも、人参と大根は特に相性もよく連作が可能。大根と人参専用の固定場所を作り、収穫したらその場にすぐ種まきを繰り返すと通年収穫がができると言われている。

連作障害の作物が多い中で貴重な存在だが、ということは、一度土の状態を整えておけば、ずっといい状態で使い続けられる。効率的だ。

ちなみにベランダなどでコンテナ栽培などをする場合でも、作土層(土の深さ)が30cmもあれば栽培できる。

人参の播種期

うちでは「黒田五寸人参」を蒔いている。形も色も大きさもちょうど良く、人参らしくて甘い。

夏まきは7〜8月になっているが、発芽適温が15〜25℃なので、この辺りだと収穫したら蒔くの繰り返しで、ほぼ通年栽培できそうだ。

種まきにはシュタイナーの「種まきカレンダー」を使って作業日の目安としている。何かしらの縛りがあったほうが作業計画を立てやすいし、天体と植物の関係も見極めたいところ。

人参の種は吸水力が弱いので、種まき後に土が乾くと発芽力が極端に落ちるようだ。雨が降った2〜3日後の種まきがベストだが、種まきの2〜3日前に畝にたっぷり水をまいておくのも予防策のひとつ。

自然農での種まきのやり方!

上記のように自然農の場合も、最初の一回は土の状態を整えておきたい。

人参の葉

二回目以降は、畝の上にも草が生えている状態にあると思う。

自然農での人参の種まきは、まず、

・種をまく部分の草を根ごと抜き、

・表層をほぐして平らにならし軽く押さえていく。

・水を深部まで届くようにたっぷりと優しくかける。

・蒔く部分に支柱などで筋を付け、種を重ならないようなるだけ均等にまいていく。

人参は好光性種子なので光が届かないと発芽できない。

・サラサラの土をふるいにかけながら薄っすらとかぶせ、

・土になじませるように上から軽く押さ鎮圧していく。

・その上からイネ科の草を細かく切ったもの(1〜1,5cm)をパラパラとかけていくと出来上がり。

自然農では播種後は基本的に水やりをしないので、こういう手順で発芽まで土が乾燥しない手立てを講じているが、発芽まで8〜10日。その間水やりせずに我慢できるか?初めてはドキドキ!

あまりに乾燥が激しいようなら霧吹きなどで湿らせる。

地力がなく成長が心配な場合は?

米ぬかと油かすを1:1に混ぜ、指先3本でつまんだくらいを播種した周囲に、隙間を開けながらポンポンと置いていく。

土に混ぜ込むのではなく、ただ置いていくこと。露や雨で徐々に浸透する。

人参の間引きのタイミングは?

人参がうまく発芽し、本葉が4〜5枚になってきて高さ10センチ以上になったら1回目の間引きをし、5センチ程間隔を開ける。その時点ですでに頭が出ている。間引き菜は炒め物や汁物に利用する。

間引きの仕方もいろいろあるようだが、ある程度までは密植のほうが切磋琢磨で育ちがいいようなので、遅めの間引きがいいようだ。

その後は、葉が触れ合うようになったタイミングで間引いていき、最終的には15センチくらいまで開ける。

明らかに育ちの悪いもの、細くてひょろっとしているもの、斜めに入っているものなどを抜いていき、
幹がしっかりして真っ直ぐに入っているものを残す

人参の収穫の目安

収穫の目安は、播種後100日から120日

首周りの太っているものから順次収穫する。食べる分だけ収穫していく。

葉も栄養満点なので捨てることのないように!すぐに使わない場合は細かく刻んで冷凍しておけば、チャーハンの具や炒めもの汁物などに重宝する。

じゃこと炒めてちょっとだけ醤油を垂らし、出来上がりにゴマをたっぷりかけると美味しいふりかけの出来上がり。お試しあれ!

人参の周囲に植えるコンパニオンプランツは?

狭い庭のポタジェでは、少量多品種で土が見えないようにできるだけの密植が必要となる。コンパニオンプランツの利用は欠かせない。

セリ科の人参と相性のいい作物は大根・ラディッシュ・カブ・チンゲンサイなどのアブラナ科の野菜や枝豆・ごぼうなど。

ニンジンと大根の固定場所を作り、人参の側の畝端に枝豆を植えるといいかもしれない。枝豆は虫の被害に遭いやすいので、有効だと思われる。

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