コンパニオンプランツとは?相性の良い作物との混植で共育ち!

自然農では肥料を与えたり、病害虫駆除に薬品を使用することをしないので、自然循環の中で本来の地力を取り戻し、できるだけ病気が発生しないよう、虫に食べ尽くされないような環境を作ることが必要です。

人間で言えば免疫力アップといったところ!

その補助手立てのひとつがコンパニオンプランツ。特に、限られたスペースを有効に活用して、多品目の作物を収穫したい場合には必須の知識です。

コンパニオンプランツの要因って?

コンパニオンプランツとは、近くに栽培することで、植物同士がお互いにいい影響を与え合う組み合わせ、または他の植物に一方的にいい影響を与える(受け取る)植物を指します。

一つは物理的側面で、日当たり、水分、栄養分などを奪い合わないような組み合わせ。

香りや色で虫も呼び寄せるということも間接的作用をもたらします。

もう一つは、アレロパシーといわれる植物の放出物質によるものです。

植物も自身が生きるためには、呼吸をし代謝をしているわけで、様々な物質を放出しているわけです。

その放出物質が他の植物に何らかの作用を及ぼすことがあります。その作用を他感作用=アレロパシーと呼びます。

その相性のいい組み合わせがコンパニオンプランツ。

コンパニオンプランツは、化学的に解明されているものは少なく、経験的にいわれているものも多いので、実際に栽培しながら観察することも必要です。

植物配置の基本

好光性には耐陰性を組み合わせる

・強い光が必要な植物のそばに光を遮るような背の高い植物を置かない。
・強い光が苦手な植物は、背の高い植物の陰に配置すると空間の有効利用にもなる。

高栄養を好む植物には栄養を作り出す植物、あるいは栄養分をあまり必要としない植物を組み合わせる。

浅根には深根を組み合わせる

乾燥を好む植物の側には吸水力の高い植物を。

バンカープランツ

植物同士は特に良好な関係とは言えなくても、天敵(益虫)を集めたり、病害虫を防除してくれる関係もある = バンカープランツ

コンパニオンプランツの効果

病害虫を防除する

まず害虫予防には主に3つのパターンが考えられます。

害虫忌避効果のある香りを出す植物

害虫は、香りや色を頼りに、好みの植物を探したり避けたりするので、強い匂いで近づけなくするのは有効です。

ハーブ類やセリ科・キク科・シソ科の植物は香りが強く、害虫忌避に効果を発揮します。

植物名忌避効果のある虫
マリーゴールドアブラムシ・ネグサレ線虫・根こぶ線虫
人参カメムシ
パセリアブラムシ・ハダニ
セロリモンシロチョウ
春菊 アブラムシ・ハモグリバエ・モンシロチョウ
ニラダイコンハムシ・キスジノミハムシ
二十日大根ウリハムシ
セージアオムシ
ペパーミントアブラムシ・アオムシ・アリ・カメムシ・ハムシ
コリアンダーアブラムシ・ハダニ

天敵となる益虫を引き寄せてくれる植物

植物名引き寄せられる益虫駆除される虫
🍆ナスカエル・クモ・てんとう虫アブラムシ・ヨウトウガの幼虫
きゅうりてんとう虫アブラムシ・ヨウトウガの幼虫・モンシロチョウ
キャベツカエル・クモモンシロチョウ
いんげんてんとう虫アブラムシ・ヨウトウガの幼虫

おとり植物

免疫力が高く、病気に感染しても発症することなく病原菌を撃退してくれる植物。

植物名有効な病気
赤クローバーうどんこ病
えん麦うどんこ病
オオバコうどんこ病
大根線虫・根こぶ病

根に共生する微生物が抗生物質を出して病原菌の増殖を抑える

特定の病原菌に有効な場合もありますが、いろいろな種類の植物を混植することで、生物相が豊かになり、特定病原菌の繁殖を抑える効果があります。

植物名有効な植物
ネギ科ウリ科・ナス科
ヒガンバナ科
(exニラ)
ナス科

成長促進

相性の良い植物を混植するとそれだけ土壌微生物の種類が増え肥沃になるため、生育が良くなる。特にマメ科は土を肥沃にすることで知られている。根の持つ根粒菌が空気中の窒素を固定し、周りの植物に供給する性質があるため、多くの野菜のコンパニオンプランツとして有効です。

風味や香りを良くする

蜜源で益虫をおびき寄せることで受粉を助け結実を良くする

受粉を助ける虫が集まることで結果的に結実しやすくなる

スペースの有効活用

草丈の高い植物の根元に相性の良い植物を配置し、成長速度の違いや収穫時期のズレ利用して限られた空間に多くの野菜を育てる。

上記の益虫を増やすことやスペースの有効利用で収穫量を増やすことにも繋がる。

肥料や農薬の軽減

自然農を採用している場合はそもそも使用しないが、慣行農業の場合も、コンパニオンプランツを利用した多品種栽培をすることで、病害虫の発生が抑えられ、決柄的に肥料や農薬の軽減につながる。

コンパニオンプランツを利用した混植で必要な2点

まず、ここ1〜2年実践した時点で、必要だと確認したことが下記の2点です。

種まきした場所に作物名のラベルを表示する。

どこに何をまいたかわからなくなって、別の種を重ねまきしかねない。全体図のようなものではピンポイントで把握しづらい。

苗床が必要!

直まき一択で行こうと思っていたが、空きスペースの有効利用という点では、生育速度の違いや収穫時期のズレの活用が難しい。またデザイン的な面でも、ある程度成長した苗を入れ込んでいかないと適材適所に配置できないということで、思うような菜園設計ができない。

また地力のない、始めたばかりの土で、肥料の入れ込みもしないやり方では、発芽しても生育がままならない場合が多い。ある程度成長し、力のついた段階で定植するほうが、収穫に至る確率が上がるのではないか?(今の時点での推論)こういう点から苗床の必要性を感じています。

科別の特性と相性をざっくり把握しておくと判断力がつく

色々な場面で、「この植物何科だったっけ?」と検索することが多い。科別に整理し、特性を把握しておくことが、様々な場面で判断力の材料になりそうなので別記事で整理しておきます。

春まき野菜のコンパニオンプランツ一覧

苗床であれば2月に入ると播種期に入る作物もちらほら出てきます。今の時期に栽培計画を立て、種の入手も含めて準備をしておく必要があります。

作物名作物
特性
害虫
予防
土壌
病害虫
予防
生育
促進
風味
向上
相互
有益
避けたい
組合わせ





🍅
*強い光
必要
マリー
ゴールド
パセリ
セージ
ニンニク
ネギ
ニラ
落花生
バジル
バジル
*糖度
up
パセリ
落花生
ウリ科
全般
じゃが芋


🍆
*強い光
必要
*乾燥✕
嫌う
バジル
パセリ
(根本に)
マリー
ゴールド
生姜
ニラ
落花生
(マルチ
代わり
枝豆ウリ科
とうもろ
こし
オクラ
ナス科




*強い光
必要
*根本乾燥

*背高作物
ネギ
パセリ
バジル
ニラ
ネギ
マメ科◎
落花生
(マルチ)
つるなし
インゲン
落花生
(マルチ
として)
枝豆
ニンニク
ネギ科
ウリ科
ローズ
マリー
唐辛子
じゃが芋
ナス科






*肥料分
少ない
マリー
ゴールド
人参
人参ルッコラ
(マルチ)
人参






バジル
春菊
マリー
ゴールド
人参






🥦
*キク科と
相性良し
*アオムシ
ようとう
  虫
コナガ
レタス
ナスタ
チウム
*赤い色
キク科




*法蓮草と
同じ
後作に
葉ネギ
長ネギ
後作に
法蓮草



参 
*アブラナ
科と相性
大根
枝豆

枝豆
ラディ
ッシュ
大根
枝豆






🥒
*日当たり
水分要
*風に弱い
*ウリ科と
長ねぎ◎

ネギ類
ニラ
パセリ
(根本)
バジル
しそ
マリー
ゴールド
長ネギ
(ウリ科
全般◎
オレガノナス科
人参
ごぼう


*根こぶ
線虫
見られる
場所✕
長ネギ



ゃ🎃
マリー
ゴールド
長ネギ(根を
からめる)
えん麦
オレガノ
クロー
バー
とうもろ
こしは
空間利用
とうもろこし、かぼちゃ、つるありインゲンの3種栽培





マリー
ゴールド
タイム
(受粉
助ける)
玉葱と
交互連作

株側ににリーフレタス



レタスレタスレタス


ナス科の
母親的
存在
バジル
ナスタ
チウム
とうもろ
こし
さつまいも
ネギ類
有害で成長
止める








インゲン
枝豆
枝豆枝豆落花生





多肥性
マメ科○
枝豆つる有
いんげん

以上、主な春まき野菜のコンパニオンプランツをまとめてみました。

コンパニオンプランツは、経験値で言われていることも多く、情報の違いも見られます。実践の中でその効果を確認しつつ、自分なりの組み合わせパターンを確立していくことも必要です、

多様性(幅広く性質の異なる群の存在)は、あらゆる場面で相乗効果生み出します。

家庭菜園の限られたスペースでも、多くの植物を上手に混植することが、生命力に溢れた美しく美味しいポタジェづくりの柱となります。

コンパニオンプランツと重なるところもあるアレロパシーについてはこちらの記事をどうぞ!

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