アレロパシーとは?アレロパシーを活かした自然農のススメ!

アレロパシーとは?植物の相互作用について。

自家菜園を始めて、色々と情報を集めながら試行錯誤していると、アレロパシーという言葉がちょくちょく出てくる。日本語では「他感作用」という。

「植物が放出する化学物質が他の植物の成長や発芽、種子の発芽を抑制する現象を意味している。

植物が自分の成長のために、茎や根や葉から分泌する物質が他の植物に伝わり、その影響で生育が促進されたり阻害されたりする作用のことをいう。

アレロパシー経路は植物により異なり、光合成や呼吸の際に揮発成分が空気中に放出されたり、雨や露などで濡れた葉から成分がにじみ出たり、根から土中に成分が滲み出たりすると考えられている。

ひと頃、セイタカアワダチソウが話題になったが、このような帰化植物が勢力を拡大する要因だったり、連作障害の原因の一つとも考えられている。

一方、雑草や害虫を防除する有効な植物として利用されているものもある。

アレロパシーによる影響は様々で、周囲の植物が成長を抑制されることで競争が減少し、生態系における種のバランスが保たれる効果もある。

アレロパシーは家庭菜園においても、適切な植物の配置や組み合わせを通じて、病害虫の発生を抑えたり、雑草の成長を制御したりすることができる。

アレロパシー活性のある植物を効果的に取り入れる。

アレロパシー活性が強い植物を全体に被覆させることや隣植えすることで、家庭菜園での効果的なアレロパシー利用ができる。

アレロパシーを持つ植物として代表的なものにヘアリーベッチがある。強い被覆力を持ち、果樹や野菜栽培時の雑草防止など多岐にわたり利用されている。

有効利用できる植物とその効用

白いそばの花が満開
植物名  効用と利用法
ヘアリーベッチ・シアナミドを生合成し、除草、殺菌、種子休眠覚醒などの効果あり。
、窒素やカルシウムなど肥料成分豊富で即効性。果樹園や遊休地などの管理にも適す。
自家菜園の肥沃化も期待できる
・秋蒔きすると雑草をほぼ抑制。緑肥効果も高い。
・落葉樹の下草管理にも有効。
地温低下や上昇の抑制効果も有る。
・枯れた残渣は、南瓜、メロン、スイカなどの敷藁替わりにもなる。
・てんとう虫が増える。
このように、ヘアリーベッチの有効性は幅広く、不耕起、無施肥、無農薬の自然農にとっては欠かせない植物と思われる。
・雑草化の恐れも少ないとされる。
カラシナ殺菌、殺線虫作用強い。
・法蓮草の病害防ぐ。
そば・ルチン、没食子酸、カテキン、ファゴミンなどのアルカロイドが、他の植物の成長を阻害する。
雑草抑制効果が高い
・遊休地の活用に適している。
雑穀・アワ、ヒエ、キビ、コウリャンなど強いアレロパシー活性がある。
・間伐や冷害に強く、やせた土地で栽培でき、病害虫・雑草抵抗性あり
・貯蔵性があり長期保存できることが多い。
・今は米アレルギーの代替食に利用されるくらいだが、栄養価も高く米麦以上の主食としての可能性もある。
さつまいも多くの生理活性物質を含んでいる。「麦角アルカロイド」
・植物体を傷つけたときに分泌される白い乳液状ヤニ成分に、下剤、抗癌剤、抗生物質が報告されている。
・イモ・茎・種子のいずれからも再生し、土地を選ばず短時間で収穫できることから世界各地で食糧難を救った。
・雑草に強く、農薬や肥料をほとんど使わず栽培できること、その驚異の生産力から、宇宙船内や火星などでの食糧としての利用が検討されている。
薬草類・オキナグサ、ヨウシュヤマゴボウ、ドクダミ等、毒草や薬用植物として知られたものの活性が強かった。中でもキンポウゲ科のオキナグサとセンニンソウの他感物質はプロトアネモニンで、植物の生育阻害のみならず、胞子の発芽・伸長も強く阻害した。
彼岸花「アルカロイド」を分泌。モグラやネズミの防除、防虫
ニンニク・硫化アルリは、周囲の植物の成長を抑制する効果がある。
・ニンニクを野菜やハーブの近くに植えることで、害虫や病気の発生を抑えることができる。
アブラムシやナメクジの発生を抑制する。

他の植物の成長を阻害するアレロパシー

植物名悪影響
ハーブ系注意スべきはハーブ類!
・ハーブ類は、アレロパシー活性の強い植物が多い。野菜類と一緒に直植えすると野菜の生育を阻害する可能性有り。
・特に、シソ科のものや地下茎で繁殖するミント系に注意。
・防虫などの効果を狙う場合は鉢植えにして側に置く。
アスパラガス・「アスパラガス酸」が他の植物の発芽や育成を阻害する。
・長期間同じ場所で栽培することが多いので、多感物質の濃度が高まり自らが影響を受けることもある。
セイタカアワダチソウポリアセチレンを分泌し、他の植物の発芽を抑制する。
落ち葉によるアレロパシー効果で、松の木陰には植物が育たないと言われてきた。
ホテイアオイ在来種の水生植物を駆逐
スズランアレロパシー活性が強い。クリスマスローズと相性悪いとされる。

実践!ヘアリーベッチとクリムソンクローバーを蒔いてみた!

ヘアリーベッチ

秋蒔きしたヘアリーベッチが、草もなかなか生えないうちの庭でも、結構育っている。もっと大量に蒔けばよかった。お試しにと1袋だけ買って蒔いたので、全然足りなかった。

秋蒔きしておくと、春から初夏の雑草抑制に効果的とされる。

3月にも蒔けるので、今度は全体に行き届くように蒔いて、草代わりのグランドカバーにしたい。

これから花が咲いて枯れていくさまが楽しみ!

ちなみに、自然農では緑肥として土にすき込んだりはしない。ヘアリーベッチは、自然枯死するらしい。柔らかそうなので扱いやすそう。

種まきのあとのグランドカバーにも使えそうだし、敷き藁代わりに使えるのもいい。

去年、刈り取った直後の麦わらを頂いて、南瓜に敷いてあげたら、わらに触れた部分が真白になって、そのうち腐ってきてびっくり!

せっかく順調に生育して、もう少しで収穫というところだったのに〜涙・・・

カビなのか?農薬の影響なのか?結局理由がわからなかったが、わらはもう使いたくないので、ヘアリーベッチに期待しよう。

クリムソンクローバー

クリムソンクローバーも量が少なすぎた。数カ所に小さな群生ができている程度。花が咲いたらどんな感じなのかな?

4月中旬、クリムソンクローバーの満開期の庭の様子。

クリムソンクローバー、ポピー、ボタンなどが満開の庭
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