春まき野菜の播種期が近づいてきた。
せっかく種を用意しながら適期を逸して播種できなかったり、適期を外して発芽しなかったり、順調な生育が見られなかったりということがある。
農業は、初めの3年は紙の上でと言われているように、やるべきことを紙に書き出し、整理し、スケジュール管理しながら作業を進める必要がある。
特に、自然農では、最小限の手出しで作物を生育を見守るというスタンスなので、今現在の土の状態にあった作物、その土地の気象状況にあった作物を、お互いが助け合うような組み合わせでグループを作り、適期に、発芽に適したまき方で種を蒔くことが重要になってくる。
この条件を合理的に実践する手法が福岡正信さんの「泥団子」の種まき!だと思っているが、山や空地の地力回復には最適な手法でも、狭い家周りや、共同畑のような場所ではなかなか難しい。
と、横道にそれてしまったが、
要は、自然農は、計画、実行、観察、改善の循環がより必要とされるようだ。それにより、耕起、施肥、農薬散布など一連の作業が必要なくなる。
春の種まきの事前計画
種まきの基本については、こちらの記事もどうぞ!
春に蒔く予定の作物の相性を確認し、組み合わせを考える。
まず、収穫したい野菜の候補はたくさん出てくるが、栽培地の面積との兼ね合いがある。コンパニオンプランツも考慮しながら絞り、グループ分けをする。
殆どの春まき野菜は、播種期が5月くらいまでに集中しているが、6〜7月蒔きの作物もいくらかあるので、その分のスペースも考慮に入れておく。
栽培地の全体構成を決める。
コンパニオンプランツにより、いくつかのグループができたので、それぞれの栽培地の場所を決める。
原則、畝立ては最初の一度で、補修しながら使い続けるとされている。特に自然農の場合は耕起しないので、躊躇するところだが、最初の畝立ては、経験のないところで全体構成をしているので、やっているうちに修正点が色々見えてくる。
なので、2年目までは修正あり!と自己ルールを作った。やりにくいまま使い続けても非効率だ。
栽培する作物が決まったら、早めに種を確保する。
昨今、F1種よりも在来種、その中でも、日本産の種や、オーガニックの種などを求める傾向が強まってきており、希望する種が品切れの場合も多く、到着に時間のかかることもある。早めに手当しておきたい。
春巻き野菜の発芽適温と播種法
気温は、栽培地により大きく変わってくるし、気候変動の激しい昨今ではその年による開きも大きかったりする。発芽適温を参考に播種日を決めるほうが間違いがないように思う。
また、種袋には播種法が提示されているので、それに沿ったまき方が基本的には発芽率を上げ、順調な生育をもたらすだろう。
作物名 品種 | 発芽適温 適期 | 播種法 | 覆土 | 発芽日数 | 畝幅 | 株間 |
カブ 早生今市かぶ | 20〜25℃ 3中旬4月 | 3〜5日 | 90cm 10cm✕4条 | 10cm ✕4条 | ||
きゅうり 夏節成胡瓜 | 25〜30℃ | 直まきは 5〜6月 2〜3粒づつ点まき | ||||
🎃 日向14号南瓜 | 晩霜の心配がなくなって 22.3℃ | 直まき放任栽培向き 点まき | 2~3cm | 1.5m | 1m | |
青汁ケール | 3月後半 〜10月 | ポット5〜6粒点まき or苗床筋まき 15cmくらいで定植 | 70cm | |||
春菊 中葉春菊 | 3〜11月 | 直まき | 好光性 | 条間15cm 程度に筋蒔き | ||
🍅 ポンテローザトマト | 25〜28 ℃ | 直まき 5月〜 | 筋蒔き 種の厚みの2〜3倍 | 筋間隔6cm 種間隔2cm | ||
🍆 山科なす | 日中30℃ 夜間20℃の温度差要 | 直まき 5月〜 | 種隠れる程度 | 2週間 | ||
ニンジン 黒田五寸人参 | 15〜25℃ 3〜4月 | 直まき 筋蒔き | 好光性 | 7〜10日 | ||
葉ネギ 岩槻 | 3月中旬〜10月いっぱい | 苗床まき 10cm間隔に筋蒔き | 1mに2条植え | 15cmに5〜6本づつ植える | ||
ピーマン 浜クロピー | 直まきでは 5月中旬〜 | |||||
バジル スイートバジル | 25〜30℃ 4〜5月 | 畝間60cm 株間30cm | ||||
ビーツ シリンダー | 3〜6月 | 直まき 筋蒔き | 深さ2cm | 条間30cm 株間10cm | ||
ベビーリーフ | 15〜20℃ | 直まき 覆土は薄く | ||||
マリーゴルド アフリカン | 20〜25℃ 4〜6月 | 株間30cm | ||||
落花生 | 25〜30℃ | 直まきは5月 | 深さ3cm 横向きに | 畝幅60cm 株間20cm | ||
ラディッシュ 赤丸二十日大根 | 15〜20℃ | 半月毎に播種 1ヶ月で収穫 |
とりあえず種袋情報をあげてみた。
種まきカレンダーで播種日の予定
天候との兼ね合いもあるので、カレンダーではベストの日であっても、種まきに向かない日もある。いくつか候補を出しておき、期を逸してしまわないよう段取りしておきたい。
長期予報で地域の平均気温を把握し、種まきカレンダーとの合致日を播種日として予定しておく。
根菜類 | 15℃〜 | ニンジン 大根 ラディッシュ | 3月8日夕方〜11日午前中 3月18日〜19日午前中 4月5日〜7日午前中 |
20℃〜 | 今市カブ | 4月22日夕方〜24日 | |
葉物類 | 15℃〜 | 葉ネギ ベビーリーフ | 3月4日 3月21日夕方〜22日 |
花菜類 | マリーゴールド | 4月25日〜27日朝 | |
果菜類 | 22.3℃ | 日向14号南瓜 | 4月29日〜30日 |
上記は、北部九州の気温によるもの。
長期予報の正確性もわからないので、近くになったら修正が出るかもしれないが、複数あげておけば、どこかに合致日が出る。
種まきカレンダーが、4月までしかないので、とりあえず3〜4月の予定だけ。2023年度のカレンダーが発行になったら追記したい。
2023年度の種まきカレンダーが発行されました。来年4月までの表示です。
シュタイナーは「植物の生長に植物のすぐそばの環境だけが関係を持っていると考えるのは幼稚なことだ。植物の生長には宇宙全帯が関係を持っている」と述べている。
ドイツでの長年に渡る研究実験から生まれた成果をもとに、毎年発行される農事暦を、日本時間に合わせて作成されたものです。